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学生の愚痴をクラウドという学生があくまで中立の立場で聞く… そんな低クオリティブログ。
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駄作の投稿です。
駄作駄作言ってたら悲しくなってきたぞ・・・。

※ココらへんから空海さんの人格が壊れます。

4

言われたとおり放課後、屋上への階段が果てしなく続いているようなほど長いことを知りながら、僕は必死にその階段を登っていた。
後ろは気にしなかった。参国達は付いてくると思ったが、いわく「絹織様の命令は絶対」だそうだ。殿方じゃないし命令形じゃなかった気がする。
まぁ、結果的にラッキーなのかは分からないが自然に二人になれる。

歯車が無い人間の真実を突き止める最初で最後のチャンス・・・。

そう思った時扉が視界に入る。
そういえば彼女はどうやってこの扉を開けるのだろうか。この扉の鍵は、十年も昔に存在したらしい天文部が、屋上飛び降り事件の後どこかに隠したらしいのだが、天文部解散から十年たった今でも屋上の鍵は見つかっていないのだ。
無駄だろうと承知の上でドアノブねじって押した。
重々しい金属の音を立てながら扉は動き出した。
「え?開いた?」
確かに開いた。そして光が十年間ずっと暗かった階段を照らした。
目が光になじむと屋上に彼女が立っているのが見えた。
空を見ていた。雲を眺めていた。鳥を観察していた。どれもが合うような顔で上を見ていた。
「空海さん?」
呼びかけてやっとこちらに気付いてくれたようだ。だがさっき空を見てた目とは違い目に強い決心のような光が宿っていた。
そして話しかけてきた。
「和灯君」
「何でしょうか。」
「私和灯君に大切な話があります。」
「はい。」
「和灯君、私のギアが無いことに気付いてるでしょう。」
「!?」
十五年生きてきてこんなに体に電気が走った感覚はなかった。
自分の置かれた状況を知ってる?ならなぜそのまま生きてる?そんな疑問が腹の中で暴れていた。
「そんな驚かなくていいでしょう。私は空っぽのノーギア、和灯君はギアチューズ、そして私はギアチューズを探していた。」
ノーギア、ギアチューズ、知らない言葉が脳を駆け巡る。
「そして見つけた。和灯白星君、そんな君にお願いがある。」
だが「お願い」と言う言葉が僕の正気を戻してくれた。僕は最低限、お願いは聞くようにしていた。
「そのお願いの内容は?」
そう言うと彼女、いや空海という女の子は顔を苦しそうにして下げた。
「私達に協力してください。・・・私を、救ってください・・・。」
僕は激しく動揺した。今までのお願いは大体手伝いとかだった。命を救えといわれたのはこれが最初。
「その・・・命を救えっていう願いを聞かないと、君は死んでしまうの?」
彼女は少し戸惑ってから小さくうなずいた。
だったらやることは一つ。
「でも・・・」
しかし彼女は悲しそうな顔をしながら、
「でも、この願いは逆に君を死なせてしまうかもしれない。死なずにうまくいっても、もう今の日常には、表には、・・・光のある世界には帰れない。」
そういった。光には帰れないと。

でも・・・

「人が死ぬ。それを見過ごしたら、きっと、いやずっと後悔しながら生きていかなきゃならなくなる。そんなことなら死んだほうがましだ。絶対に。僕はそう思わなくちゃ生きていけない。」
「・・・分からないな。君の心。覗きにくいや。」
「それでも、君は僕にお願いした。だから後は僕の決断だけ。そして、」
僕は彼女の手をとって
「僕の決断はその願いを受け止める。」
「わ、わどぐん」
彼女の目頭から大きな粒が流れた。あと鼻からよからぬものも一緒に。
「て、ティッシュ、ティッシュ!」
ポケットから慌ててティッシュをだして渡した。

5

扉の横の壁に寄りかかって彼女を落ち着かせた。
「で、僕は何をすればいいの?」
「そのままじっとしてて。後、呼吸できなくなるから息いっぱい吸っておいて。」
そうして彼女は僕の胸にすがるように倒れてきた。
「ちょ!?く、空海さん!?」
女の子にこんな密着されたのは初めてだった。彼女の香りが漂ってきて余計に混乱する。
「いくよ。和灯君。」
「う、うん・・・。」
そう言って大きく息を吸うと、

全身の血が止まった気がした。そのくらい体が圧迫された。

内臓が締め付けられ、頭は逆に膨れ上がる感覚。息をしようにも喉が自由に動かない。
「ア・・・グ・ぅ・・」
そうやって喘ぐことしか出来なかった。
だけど、
「もう少し、もう少しだから、お願い、まだ生きてて!!」
彼女の叫びが聞こえる。彼女も必死のようだ。
(ならば、こっちだって必死に生きてやる!絶対に!!)
そんな状態が何分か続いた。そして、
「く、は、はぁ、」
やっと息の出来るようになった。
「和灯君!生きてる!?」
「いき、てりよ。」
舌が回らなかったが、彼女には届いた。
「良かった。良かった。本当に、良かった。」
そうして自分の胸を見たら
歯車がなくなっていた。
「これは・・・?」
「ギアの移植みたいなもの。」
そういった彼女は倒れてしまった。
「く、空海さん!?大丈夫!?」
「うん。疲れただけ、和灯君も結構消耗してると思うよ。」
言われたとたんに倒れた。頭が床にぶつかる。
「本当だ。」
「こんな状態で話すのなんだから、明日、どっかでゆっくりはなそ。」
「うん。」
そして二人は屋上に寝そべっっていた。
空はもう紅に染まっていたが、しばらくは動けなさそうだ。


結局、家に着いたのは日が沈むか沈まないかの瀬戸際だった。
「大丈夫?送ろうか?」
「いいよいいよ、悪いし、」
彼女はそこで言葉を切り、
「巻き込んじゃったし。」
そう小さな声で言った。
「いいんだよ、巻き込まれたのは僕の決断があったから。君は選ばせてくれた。それだけで十分だよ。空海さん」
そうやって笑った。彼女にこれ以上罪悪感を負わせたくはなかった。
「あの、さ」
そんな気持ちは彼女には通じなかったのか
「呼び捨てで呼んでよ。そのほうが、いい。」
ごく日常的に友達と呼び方を決めるときみたいに言ってきた。
「・・・分かったよ。空海・・・ってこんな感じでいいの?」
「うん。」
こころなしか顔が赤く見えるのは気のせいだろう。
「じゃぁさ、」
「何?」
「僕のこと、わとって呼んでくれる?」
「へ?何でわと?」
聞いてきた彼女に
「昔、今は死んじゃったじいちゃんが、優しくしてくれるときだけ、わとって呼んでくれたんだ・・・。じいちゃんも和灯なのに・・・。」
出来るだけ顔がゆがまないようにがんばった。そんな僕の頬を
「分かったよ、わと。」
優しく、撫でてくれた。
「でも、我慢はしないで。泣きたいときに泣いて、笑いたいときに笑って。」
「・・・そうだね。空海の言うとおりだ。」
「じゃ、明日のお昼前にまた来るね、わと。」
「お休み、そしてまた明日、空海。」
そうやって微笑み交わすと彼女、空海は走っていった。
だが、今の空海の言葉、誰かの言葉と似ている、気がした。
「気を付けてねー」
といったが、
「分かったーふぎゃ!」
早速転んでいた。
「大丈夫かな・・・。」
今頃、彼女の天然ぶりが心配になっていた。

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無題
面白いね♪
わたしこういうのすきだよ。
続き、待ってます♪
ベルゼブブ 2010/05/02(Sun)10:51:41 編集
あのーベルゼブブさん?
どちら様ですか?
KLUD 2010/05/06(Thu)18:41:18 編集
無題
ゴメンナサイウソデス過去コメ見損ねてました本当にごめんなさい!!
KLUD 2010/05/06(Thu)18:44:00 編集
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