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学生の愚痴をクラウドという学生があくまで中立の立場で聞く… そんな低クオリティブログ。
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一応乗っけてみます。
一が短すぎるので長すぎる2も一緒に投下する。

リゴーンリゴーンと鐘が鳴っている。
僕の通う葉鳴高校の六時限目終了時のみ鳴る特徴的なチャイム音だ。
しかし僕らのクラスは先生が面倒臭がりなため五分前に授業が終了していた。
皆せっせと帰りの支度をしている中、一人せっせと手紙を書いてる人物がいた。
僕の友達のような友達、譜洗参国だ。
彼は学園入学時からいろんな人に告白したそうなのだが、返事は悲鳴かビンタであることが多い。
そんな彼を僕の持つ能力で手助けをしたのがきっかけで、僕らは友達(参国が一方的であることが多い)になった。
僕はそんな参国を凝視し、能力を発動させた。
そのとたん参国の右胸…心臓のある場所に歯車が現れた。
歯車はギシギシ音を立てるような錆びっぷりで回っていた。それは問題ない。問題なのは色だった。
黄色に点滅し、その黄色が歯車のひとつの歯に侵食していた。

この歯車は知り合いの中にも見える人間がおらず、今のところ「占い」の名前を借りて歯車の件は秘密にしている。

いつもどおり、僕は参国に忠告する。
「そろそろ告白もやめれば?」
「…!?」
そのとたん彼の肩がビクウゥ!と反応し、周りの空気が声を上げるほど速く振り向いた。
「こ、これは別に!そ、そう!従兄弟宛に…ってトモビーかよ。」
「慌てすぎだ。後僕はトモビーではない。」
なぜか参国は僕のことをトモビーと呼ぶ。
以前聞いたことがあるが、
「お前の名前に『灯火』の『灯』が入ってるからトモビーだ。」
と言われた。まったく意味が分からない。
あ、僕の名前を言い忘れてた。僕の名前は和灯 百星(15)です。ワトと呼んで下さい。
「で?また俺に怪我信号が出てるん?」
「うん。あ、でも今元に戻ったから、今の助言が未来に適応されてるんだと思うよ。」
言ったとおり、ギアの色は点滅もしない銀色になった。
「そうか、だが俺は諦めんぞ!!」
諦めないんだ…。
「助言ありがとよ!あとそろそろ先公怖えーぞ。」
言われてみると先生がこちらを睨んでいた。
「んじゃ、また今度。」
そういって席に戻っていった。

僕は一応帰宅部である。
中学のころの実績を見て科学部が必死の勧誘をしてきたが、さらりと受け流した。
「帰宅部一同は急ぐことなく家に直行。寄り道禁止。」が葉鳴高校帰宅部の掟だった。
だが大体の帰宅部員は一つ二つ離れた町で遊んでいる。
だけど僕は規則は最低限守るような人間であろうとしている。
だから外出も家に帰ってからである。
いつもどおりギアを見えるようにして、本を買いに近くの本屋へ出向いた。
いつもどおり歯車を見ながら歩いてたら、違和感を感じた。周りを見てみると、
(!?)
そこにいたのだ。彼女が、その胸に歯車を抱かない少女が。
人間にしろ、動物にしろ、歯車を持っていない『生物』はいなかった。
初めて見た歯車の無いその『生物』に恐る恐る声をかけた
「あのー・・・」
「・・・?」
かけてしまった。
不思議そうにその『生物』は、こちらを見ている。
しかし、そこにいたのは宇宙人でもなく、古代魚でなく、普通の女の子だった。
「何?」
彼女は聞く。簡潔に。
だが、その簡潔さが彼女を引き立てていた。
「あ・・・え・・・え、えーと・・・」
なんて聞けば歯車の事が聞けるか考えるのを忘れていた!!
僕はおろおろ周りをきょろきょろ見ていた。ネタがどっかに無いか!近くに参国はいないのか!!そうして上を見たとき思いついた。
「あ、あの、そ、空が綺麗ですね・・・」
ごく一般、知らない人には言わないであろう言葉だった!!
そんな中、
「・・・~~~、ふふふふ・・・。」
彼女は笑っていた。
それはそうだ。知らない人に天候がどうのこうの言われたらおかしいに決まっている。だが。
「ふふふ・・・ごめんなさいね、この町にもそういって誤魔化してくれる人がいるのね・・・」
彼女の笑っていた理由と僕の落ち込んだ理由は違う方向のようだ。
「この町に着てから、私にすれ違っただけで告白しようと追いかけてくる人はいたけど」
そういってこちらを向いた。
「まさか尾行の上、声をかけたら適当な言い訳で誤魔化す・・・いくら私がきれいだからって・・・」
そしてまた笑い始めてしまった。
僕は数秒彼女の言った意味が分からなかった。理解した僕は、
「あ、いや、そういう意味では無くてですね・・・。」
と言う。しかしあっさり
「じゃあ何?」
と言われ
「・・・」
撃沈。
数秒後の沈黙を破ったのは彼女だった。
「ちょっと私、転校先見に行くから、そろそろいい?」
「あ・・・ごめん。長話しちゃったみたいだ・・・。」
「ありがと」
彼女はそれだけ言うと駅の方向へ歩き始めた。
「・・・あ!そうだ。」
突然彼女が振り向き、こんな言葉を発した。
「『くうかい』」
「くうかい?あの歴史上の空海がどうしたの?」
あのお坊さんを頭に描いたら、
「違うよ。」
「じゃあ何?」
「・・・鈍いね、君。」
「?」
こっちは本気で考えるが分からない。
「名前だよ。『絹織の空海』それが私のな・ま・え。」
「不思議な名前だね。」
「たくもう!不思議でもなんでもないよ。」
そうだろうか。歴史上人物の名前をつけてる時点で不思議な名前と認識するが・・・。
「後十分位で電車出るから、急いでるんだったら早く行ったほうがいいよ。えっと、空海さん。」
そう親切に教えてあげたら。
「いて!」
でこぴんが飛んできた。
彼女を見ると、
「・・・」
頬を膨らまして、とても不機嫌そうだ。
そして
「君は?」
「へ?いた!」
2発目が飛んできた。不機嫌そうに
「君の名前!私が教えたなら君も教えるのが礼儀でしょ!」
名前を聞いてたらしい。
「ぼ、僕?僕は和灯白星。」
「和灯君ね。ありがと。」
彼女はにっこり笑った。彼女にとってそれで満足らしい。まぁ、満足してくれたなら、いいと思う。
ところで、
「空海さん、電車は?」
「・・・!」
非常に驚いていた。いや、あなたの目的電車に乗って転校先まで行くことでしょ。
「ちなみに今電車が出たはずだよ。」
「は、葉頼駅行きの電車は・・・」
「後一時間四十分くらい来ないんじゃないかな?」
「・・・しょうがないか。待つしかないみたいだしね。」
「?なんか知らないけどがんばって。」
聞こえたのか分からない。だって彼女は
「。・、、、・・。、。、、、」
何かをつぶやいて駅に向かったからだ。
彼女の呟きが少し風に乗って聞こえた。
「・・・もしかして彼が・・・」
確かにそう聞こえたが、気付いたら彼女はいなかった。
「・・・ほんとに不思議な人だ。」
そういって本屋に歩き始めた。

それが彼女とであった春の終わりの頃であった。
これは『奇跡』でなく『運命』だったのかもしれない。
このときの僕にはそんな思いは無かった。

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